大山峠から国道二号線に出て少し歩き、左の小道を南に下ると再び大きくカーブする国道二号線と出会う。左の小高い一角に万葉の歌碑が建っている。
まきのはの しなふせのやま しぬばずて
われこえゆけば このはちりけむ
(万葉集巻三 291勢能山歌 小田事作)
時代:欽明天皇(629)~天平5年(733)
現代語訳:木々の葉が茂りしなっている背の山を、心心に堪えられない思いがあって越えていけば、その心は木の葉が知っただろう。土屋文明訳:按に,せの山は、紀伊の国にも有れど、清輔、奥議抄にせの山は安芸の国と記せりまた延喜式駅馬に大山駅あり此地なるべしとあり、藝藩通志はこの歌の〈勢能山〉の所在を上瀬野としており。その説によってこの歌碑も建立している。
写真は、昭和46年2月当所建立時のもの。